林 智裕

【祝】福島の日本酒が前人未到の6年連続日本一!

ところで福島のお酒って、どんな味なの?

よくぞ聞いてくださいました。福島の酒と一言で言うとですね……。

なんというか、一言で言えないのが、福島の酒です(笑)というのも、昨年も書いたのですけれど、「福島の酒」と言っても、福島県は北海道、岩手県に次いで日本で三番目に広大な県。山あり街あり里山もあり、海では暖流の黒潮と寒流の親潮が出会う潮目があり。その結果、気候風土も会津、中通り、浜通りで全く異なり、同じ県内で場所を変えれば桜が約1ヶ月間も楽しめてしまうくらいなんです。

ですから、食文化やそれに合わせるお酒の味わいも多様性があります。その上、それぞれの異なる独自の味わいが、それぞれの特徴を活かして、非常にハイレベル! 私見ながら、同じ県内でここまで味わいの多様性がある県は、福島をおいて他には無いのではないかと私は自負しています。

 

じゃあせめて、大雑把に教えてよ?

 

しょうがないなぁ……(めちゃくちゃ嬉しそう)。

福島のお酒は全体的には、「香気」と呼ぶべきやんわりとした上質の「ふくみ」のようなものをまとっているものが多いです。それはまるで、剣の達人に近づいただけでもその実力を感じさせるオーラというか、「剣気」と言われるようなものが立ち上っているかのよう。お酒の入った盃をくちもとに近づけると、立ち上がる上質な香り。口に含む前からすでに期待が高まる、高い実力を感じさせるような気配を感じさせるのです。

その上で、地域ごとの特徴(私見)を本当に大雑把にザックリとですが、お話してみますね。

 

会津地方の特徴

福島県でも、最も多くの酒蔵が集う地域です。激動の幕末、会津藩や新撰組の歴史などでも有名な地域ですね。お酒造りも、伝統ある造り手の蔵が沢山あります。福島の金賞受賞数のいちばんの源は、この会津にあると言えるでしょう。

中央の会津若松や会津坂下、猪苗代などは全般的に、上品な香りが漂うバランスの良い味わいが多いです。あらゆるシーンに使いやすい、オールマイティなお酒。しかしそれは断じて退屈な味わいではなく、「どんな変化球がきても受けとめられる実力がある」懐が深い味わいとでもいうべきです。私にとっては日本酒のスタンダード。さまざまなお酒の味わいを比べるための「物差し」はこの地域の味わいがベースになっています。加えて、全国でもプレミアム酒として高値取引されている「飛露喜」「写楽」「天明」なども、この地域の酒。非常に高い実力を持った蔵ばかりです。

喜多方ラーメンでも有名な北部の喜多方は、会津若松に近いながらも伝統的な味わいから先進的なニューウェーブまで、非常に幅広く、同時に世界トップレベルの高い味わいを造り出しています。中には、蜂蜜酒のミードなど他では手に入りにくいものも。

南部や西部の奥会津では米の旨味が優しく、とにかく飲み飽きずに延々と飲んでいられるような、引き込まれる魅力のお酒が多いです。燗にしてもとても美味しい!呑兵衛から飲み始めのビギナーさんまで、幅広く楽しめます♪

 

中通り地方の特徴

福島県の中央、阿武隈川の流れに沿った地域です。県庁がある福島市や経済県都とも呼ばれる郡山市、伝統のある二本松藩や白河藩があった二本松市、白河市があり県内で最も人口が多い地域になります。

県北の福島市では金水晶という今回も金賞を受賞した酒造が現在は唯一の造り酒屋ですが、米の旨味をキラキラとした煌めきに変えるような特徴あるお酒を醸しています。その本懐は特に肉料理との抜群の相性であり、近隣の名物である伊達鶏や川俣シャモ、福島市名物の焼き鳥や円盤餃子などに合わせることで、肉汁が増幅されたかのような旨味の塊となります。また、福島の郷土料理であるイカ人参などとの相性も良いです。

福島市の南にある二本松は昔から海外でも大人気の大手である大七酒造、今回も金賞を獲得した金賞常連の奥の松酒造や人気酒造、地元でとても愛されている千功成などの蔵元があります。全般的に「炊きたてご飯のような美味しさ」が際立ち、特に食中酒として非常に高いレベルを誇っています。その特性から、純米酒や本醸造酒ならば燗酒にすると、まさに「炊きたて」のような米の旨味を存分に楽しめます。実際、「燗にして旨い日本酒」系のコンクールでは、二本松の酒はしょっちゅう日本一の称号を獲得しています。

中通りの中央にある郡山市の酒は、全体的に芳醇辛口さを感じさせます。ワインでいうフルボディに相当するでしょうか。味わいはいわばフルオーケストラのようなダイナミックな印象がありますが、これは決して雑味がある大味ではなく、「非常に丁寧に造られた沢山の淡麗辛口の一つ一つの旨味が多重に重なって織り成されたかのような芸術品」とも言うべきものです。今回の金賞や入賞受賞蔵にも、この郡山の蔵元が複数含まれています。

県南と呼ばれる中通り南部、県中から県南の東部にあるあぶくま高原地域は、「強い旨味ながらもすっきりとした酒」や、いわゆる「淡麗辛口」と呼ばれるお酒が多い印象です。たとえば天栄村の「廣戸川」やあぶくま高原にある三春町の「三春駒」などは今回も含めた金賞の常連であり、まさに「旨味が強いながらも、清らかな水が流れるかのようにすっきりとした飲み口」といえる酒です。また、白河や県南には福島県内きっての淡麗辛口の味わいを出す蔵元もあり、魚介類に合わせても楽しみやすい酒などがあります。

 

浜通り地方の特徴

黒潮と親潮が出会う潮目の海を抱えた福島県の浜通りは、豊かな漁業資源の宝庫です。この地域の魚は「常磐もの」と呼ばれる高級品で、スズキやヒラメ、ソイ、メバル、ヤナギガレイ、ドンコ、アンコウなど白身の魚が美味しいことでも知られており、この地域のお酒はそのままでも美味しいものの、それらの魚と合わせるとより真価を発揮します♪

全体的な傾向としては、鋭い辛口で魚のニオイを切るというよりも、魚自体が持つ旨味を酒と調和させて活かすような味わいのお酒という印象ですね。昔ながらの日本酒の良さを感じさせながらも、決して時代遅れではない。

かつて俳優の故・三國連太郎氏が映画「釣りバカ日誌」撮影でこの地を訪れてから惚れ込んだという四家酒造さんの「いわき郷又兵衛」も、今回また金賞を獲得しています。この蔵元のお酒を飲むと、その三國氏のイメージにどことなく重なるような、ダンディズムにも似た味わいを感じさせます。ちょっとかっこいいのです。

 

まとめ

ものすごくザックリとですが、私見で福島の地域ごとの酒の大雑把な特徴をまとめてみました。(もちろん、各地域、各蔵元ごとに、これに全く当てはまらないお酒も沢山あります!!)

とはいえ、やはり最近のお酒の魅力と進化は「百聞は一飲に如かず」。実際に味わってみないと、充分には伝わりません。ますます発展した日本酒文化の「今」を感じるためにも、まずは自分達が率先して、福島の酒や食文化をこれからも全力で楽しんで応援しないとね?(こうして呑兵衛は今年も去年と似たような飲む口実をもっともらしく語る訳でした。めでたしめでたし。)

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