小さな村の小さなカフェは “器好き” にはたまらない天国だった「Cafe嵐が丘」

葛尾村。「かつらおむら」と読みます。福島県民でも正確に場所を言える人は少ないかもしれません。

阿武隈(あぶくま)山地の中ほどにあり、夏は涼しく、夜は満点の星が広がる、自然豊かな村。大震災後の全村避難を経て、1500人だった人口は現在190人ほどになり、復興むらづくりの真っ只中です。

そんな小さな村の、そのまた奥に、「え、こんなところに?」というすてきなカフェを発見しました。

 

丘の上の隠れ家カフェ

このお店、宣伝を一切していません。ホームページもありません。「え、こんなところに?」というロケーションも含めて、ぜんぶがまさに「隠れ家」的です。

 

が、立地的にはまったく隠れてません。丘の上です。その名も「Cafe 嵐が丘」。神奈川県から移住してきたご夫婦が2016年3月に開いたお店です。

 

店名は、エミリー・ブロンテのあの有名な小説からとったそう。その名の通り、冬場の風は強いですが、周囲にはこの景観が広がっています。

 

老舗の喫茶店系から外資のおしゃれカフェ系まで、大手のコーヒーチェーンが日本全国の街角を制覇している昨今。いつものロゴマークが入ったカップで、いつものラテを飲むのもいいですが、たまにはオーナーの趣味と個性があふれるお店もいいですよね。

こちらのカフェでは、オーナーが40年以上かけて日本中&世界中から集めたカップとソーサーから、好きなものを選んでコーヒーを注いでいただけるのです。

 

あなたならどれを選ぶ?「器も味の一部」を実感

そのコレクション数はなんと300客以上!といっても、すべてを一度に陳列できないので、100客ほどをローテーションしてディスプレイ。まるで美術館のようですね。もちろん、貴重な「一点もの」も多いとか。

 

好きなものを選んで、と言われると、「せっかくだからいちばん高級なものを…」と考えるか、あくまで自分の好みのデザインを選ぶか、人によってタイプは分かれるところでしょうが、この日は取材ということもあり、筆者は前者の気分。

といっても、素人目にはどれも値打ちがありそうなものばかりでわかりません。オーナーさんにストレートに尋ねてみました。もちろんモノの価値は値段だけで決まるわけではありませんが、レアものということで教えてくださったのはこちら。↓

 

タイ王室御用達のベンジャミン焼というものだそうです。ふんだんに金が使われています。模様はすべて手書きだそう。触ると、プリント模様の量産品とはやっぱり違います。…美しいです。器によって、挽きたての豆で淹れたコーヒーが、さらにおいしく感じる不思議。

もちろん日本産もたくさんあります。下の写真は有田焼の著名な作家さんのもので、24金が使われた独特のデザイン。毎回このカップをご指定のお客様もいらっしゃるとか。

 

こちらはディスプレイ・オンリー。白く輝くカップは、益子焼の陶器に銀を塗り、さらに彫りを施した作品だそうです。ほんとに美術品みたいです。

 

毎回カップ選びを楽しみにやってくる常連客もいらっしゃる、というのも納得です。ちなみに、あまりにも気に入ってしまったカップがあれば、オーナーと交渉次第で「お嫁入り」も可だとか?!

 

数量限定のランチもお試しの価値あり

Cafe嵐が丘では、ランチもいただけます。全村避難が終わった後の村内では、温かい食事が食べられるところが他にまだない(2017年6月時点)ので、周辺の住民だけでなく、ビジターにとってもかなりうれしいですね。

小鉢が並ぶ週替わりのランチ(1,200円)は、お野菜たっぷり。ドレッシングなどもひとひねりしてあって、どの皿も箸をつけるのにワクワクします。この日のメインはご飯ものでしたが、パスタや蕎麦をアレンジすることもあるとか。筆者は個人的に、夏のカッペリーニが楽しみです。

 

ランチには250円でデザートを付けられます。自家製プリンは甘すぎず、しっかりしたテクスチャー。久しぶりにこういうプリン食べました。おいしい。

 

ご夫婦で営む小さなお店なので、提供できるランチは毎日15~20食とのことです。お腹を空かせていって残念な思いをするのを避けたければ、事前に予約を。

 

まとめ

小さな村の小さなカフェは、近隣住民やビジターのみなさんの憩いの場として、丘の上から葛尾の村をやさしく見おろしています。お気に入りのカップを探して、オーナーご夫婦とのおしゃべりも楽しんでみては。お越しの際は、営業日・営業時間を確認してくださいね。
年に数回、器コレクションの一部の展示販売を行うそうです。詳細はお問合せください。

Cafe嵐が丘

福島県双葉郡葛尾村野川字中島234-2

11:30~17:00(定休日:日曜日・月曜日・火曜日)

0240-25-8922

ご注意:葛尾村のある福島県双葉郡内の一部には、通行止めの箇所があります。特に浜通り(海側)からのアクセス時には、福島県のページでの規制箇所をご確認ください。

 

おまけ

Cafe嵐が丘から車で5分ほどのところに、「せせらぎの湯」(みどりの里 せせらぎ荘)という葛尾村営の宿泊・日帰り温浴施設があります。2016年にリニューアルされた館内はとてもきれい。露天風呂はありませんが、春夏は窓の外に緑が広がり、癒されますよ。阿武隈ドライブの途中でひと風呂、いかがですか?

せせらぎの湯

福島県双葉郡葛尾村大字落合字菅ノ又6番地5

0240-37-4800

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