釣りたてのイワナを串焼きでかぶりつく!手ぶらで楽しめる川内村「いわなの郷」

パチパチとはじける炭火。芳ばしく焼けた釣りたてのイワナの、ほくほくとした身を頬張る……よだれが出てきますね。想像して唾を飲み込んだあなた、川内村へ急ぎましょう!

 

最後の紅葉を捕まえに、川内村へ

実はわたくし、これまで釣りというものをしたことがありませんでした。ものすごく興味があった訳でもありません。だけど、今年の秋はビンボー暇なし状態で、福島県が誇る大自然の中で錦秋を堪能する時間もなく。せっかく福島に移住したのに街路樹のハナミズキの紅葉で満足するのか……?と、少々残念な気持ちでいました。

いや、これで終わってはいけない。安達太良山や吾妻連峰の見ごろは終わってしまったけれど、もっと標高の低い阿武隈(あぶくま)高地ならまだ紅葉のしっぽを捕まえられるかもしれない。せっかく行くなら、なにかアクティビティもしたいし、おいしいもの食べたいし、温泉にも入りたいし……。

そんなことを考えていて思いついたのが、以前から気になっていた川内村の「いわなの郷」です。あぶくまらしい穏やかな山間に木々に囲まれたイワナの釣り堀があって、釣りたてのイワナをその場で炭火焼き。万が一漁獲ゼロでも「幻魚亭」というレストランで、イワナ料理が食べられる。帰りは「かわうちの湯」でひとっぷろ。

これだ!

しかし、たとえ釣り堀でもわたくし釣りは初体験。それに、ここで紹介するには写真も撮らないといけません。釣りをしながら自撮りは至難の業です。そこで、釣りキチの友人にむりやり有給休暇を取らせて同行してもらいました。Mちゃん、ありがとうm(__)m

 

平日の朝9時半、まだ人がいません。レンタル釣りざおとエサを受け取り、陽の当たる側へ。友人にエサのつけ方を指南してもらい、さっそく釣り糸を垂らします。

 

釣り堀の周囲では最後のモミジが陽の光に輝いていましたが、全体的にはやはり、もう盛りを過ぎた感じ……。でも釣り始めたら、はっきり言って周りはどうでもよくなりました(笑)。

釣りって、魚との駆け引きなんだそうですよ。上の写真、手前から水が勢いよく噴き出ているのは、水流を作り出すため。イワナは常に上流に向かって泳ぐのだそうです。その背後に回ってエサを投げ込み、じっと待つ。友人いわく、魚から見えにくいよう、服は黒っぽいのを着るのがポイントだそうです。早く言ってよ。

 

白っぽい服を着て、心なしかへっぴり腰の筆者。

二人とも最初の15分はイワナとの駆け引きに負け続け。このまま収穫なしに終わるのか?それじゃ記事書けないじゃん!と焦り始めたころ、友人が最初の一匹をゲット。

 

「でかっ!」

といっても、そもそもイワナという魚をこんな至近距離でみるのが初めての筆者は、大きいのか小さいのかわかりません。なので、このコメントは友人のものです。渓流釣りをこよなく愛する友人によれば、自然界にいるイワナは、この半分くらいの大きさなんですって。

ここのイワナはお隣の養殖施設で人工飼料により育てられたもの。こちらは2年目の成魚だそうです。

阿武隈水系はもともと渓流釣りのメッカ。なかでもイワナは本当にきれいな水の上流にしか棲まないので、「幻の魚」と呼ばれるほど。川内村はそのイワナ釣りが楽しめる場所として、遠くからも釣りキチが集まっていたそうです。残念ながら原発事故の影響でまだ渓流釣りは解禁されていませんが、管理された環境で養殖され、検査もしているこちらのイワナはもちろん安全です。

 

コツさえつかめば!

しばらくすると、コツがわかってきました。筆者もついに1匹ゲット! ゲットしたはいいが、口に刺さった針をどうやって外せばいいのでしょうか……。

 

Mちゃんに有休をとらせてよかった。ここをデートコースに考えている男性諸氏、この作業を臆せず手際よくできるかどうかが二人の将来を左右するかもしれません。事前によく練習しましょう。(もっとも、慣れていない人は施設のスタッフがお手伝いしてくれますけどね)

あー、でも針の刺さったイワナは痛そう。苦しそう。こうやって、私たちは生き物の命を頂いてるのですね。釣り体験は、お子さんだけでなく、人間は他の動物の命によって生かされているという大事なことを忘れてしまった大人の再教育にもいいかもしれません。

 

コツをつかんだ我々は、その後立て続けにイワナとの駆け引きに勝利し、バケツの中がだんだん混雑してきました。こうなると、止めどきがポイントになってきます。釣ったイワナは、100グラムあたり200円ですべて買い取り。生で持ち帰って自分で捌くという人は別ですが、たいていはその場で捌いてもらって串にさし、塩焼きにしてもらいます。どんだけ食べられるのか?と自問の末、私たちは5匹釣り上げたところで終了。イワナ代は900グラムで1800円でした。これに釣り竿レンタル代、炭代、さばき代をプラスして〆て2600円也。

 

ここから炭火でじっくり40分。焼き加減もちゃんとスタッフの方が見ていてくれるので、焼きあがるまでの間、少々園内を散策しました。といってもそれほど広くはないですが、その名も「幻魚亭」というレストランの隣には芝生の広場があり、その広場を臨む高台には木立に囲まれて宿泊用コテージも散在しています。夏なら緑につつまれてさぞや気持ち良いことでしょう。

さて、焼きあがったイワナは、そのままアウトドアでかぶりつくもよし、レストランに持ち込んでお皿とお箸で上品に食すもよし。

 

正直、筆者はあまり川魚を食べつけないのですが、焼きたては身もふかふかに柔らかく、ちょっと心配した「泥臭さ」も全く感じませんでした。

食べ残すなどという無責任はできません。わたくしが釣った3匹のイワナは、すべてわたくしの中で成仏していただきました。合掌。

お腹が満足したところで、「いわなの郷」から車で10分ほどの「川内の湯」を訪ねようと思いましたが、残念ながら12月までメンテナンス中とのこと。この日、温泉は入れませんでしたが、思いのほか楽しい釣りデビューができて大満足でした。もちろん、往復の阿武隈高地ドライブで紅葉の名残を堪能しましたよ。

 

まとめ

川内村「いわなの郷」の釣り堀は、厳しい冬の間は休業です。今季は11月末まで。春は3月下旬からオープンします。今シーズン最後のイワナ釣りを楽しみたい方は、川内村へお急ぎください。(レストラン「幻魚亭」は通年営業です)

いわなの郷

福島県双葉郡川内村上川内炭焼場516

0240-38-3511

http://www.abukumakawauchi.com/

■いわな釣り堀
営業時間:9:00〜16:00
定休日:火曜日 (ただし祝日の場合は翌日)
※冬季休業 (12月上旬〜3月中旬)

■レストラン幻魚亭
営業時間:11:00〜16:00
定休日:火曜日 (ただし祝日の場合は翌日)、年末年始12月29日〜1月5日

 

おまけ

ちなみに、南会津郡只見町にも同じ名前(こちらは「いわなの里」と書きます)のイワナ釣りの施設があるそうです。2011年の豪雨被害で営業休止を余儀なくされましたが、5年間のブランクを経て2016年に釣り堀の営業を再開したとのこと。只見といえば水の郷。こちらも清らかな水に育てられたイワナやヤマメ、さぞや元気でおいしいことでしょう。あいにく、こちらはすでに今季の営業は終了。次季は5月3日から再開だそうです。新緑の時期にぜひ!