たった700円で絶景オーシャンビューの温泉が入れる穴場スポット「しおかぜ荘」

眼下に広がる青い海原、さわやかな潮風、上質の源泉をたたえた露天風呂と来れば、これ以上の至福がありましょうや。

ところが、言わずと知れた温泉天国でありながら、福島県には案外こういうロケーションの温泉が少ないのです。本サイトでもたびたび温泉を特集していますが、いずれも渓流のせせらぎに癒されながら、新緑あるいは紅葉を愛でながら、そして冬ならばしんしんと降り積もる雪の静寂に包まれて……という山間部の温泉場がほとんど。

つまり、内陸奥深い会津地方や中通り地方に集中しています。

山奥の秘湯系の魅力はもちろんすばらしい。中通り住まいの筆者もよく行きます。けれど、たまには「海の見える温泉」もいいなぁ… と思い、探してみました。

福島県をタテに三つに分けると、海側の3分の1を浜通り地方と言います。この浜通りにある温泉としてはいわき市のいわき湯本温泉が有名ですが、実はこちらも少し内陸に位置していて、海には面していません。

今回訪れたのは、そのいわき湯本から車で1時間ちょっと北上したところにある、楢葉町(ならはまち)の天神岬というところ。名前からして、風光明媚な感じがしませんか? ここにある「しおかぜ荘」という日帰り温泉に伺ってきました。

 

来た甲斐があった「しおかぜ荘」の絶景露天風呂

実はこの日、南のいわきからではなく北の福島市方面から片道2時間以上かけて到着したのですが、結論から言うと、はるばる来た甲斐がありました。

とりあえず、写真に語ってもらいましょう。

 

知らなかった、浜通りにこんな温泉があるなんて。ここ、めちゃくちゃ穴場かも。

お湯は黄褐色のナトリウム‐塩化物泉。サラサラよりはトゥルトゥル系です。皮膚病や神経痛に特に効果があるとか。なめてみると海の近くだけあって少し塩辛いです。源泉の温度は38度ちょっとだそうなので、真冬の外湯には少々ぬるいかもしれませんが、取材で訪れた7月上旬の気候では、潮風に吹かれていつまででも入っていられる温度でした。(一部加温しているそうです)

 

男湯と女湯は毎日入れ替わります。露天エリアは、一つは岩風呂と寝湯、もう一つはヒノキ風呂と壺風呂。お隣の宿泊施設「展望の宿 天神」などに一泊すれば、両方楽しめますね。この日の女湯は寝湯がある方でした。寝湯ってだれが発明したんでしょう。気持ち良すぎ。

 

そして、湯船に並んで畳3畳ほどのお休み処があるのがすばらしい。デイベッドという感じでしょうか。筆者はここに座り、はるか沖をゆく船の姿が視界から見えなくなるまで瞑想いたしました(笑)

ちなみに、日本の他所の温泉には、海に張り出して見渡す限り水平線という絶景露天もありますが、筆者は個人的に少し緑が見えた方が好きなタイプ。こちらのお風呂も前景に松の木や緑の茂みがほどよくかかり、青と緑のコントラストが美しかったです。

 

内湯はジェットバスや薬湯もありました。

 

このぜいたくなお風呂を堪能するだけなら700円。プラス1,500円で浴衣をお借りすると、湯上りのひと休み定番の、「座敷でごろり」が可能です。

 

もうひとつ、浴衣着用の方専用の休憩室がこちら。海を見ながらリラックスチェア。これは寝ますね(笑)

 

この温泉が最初に湧出したのは1990年のこと。楢葉町民からの公募で「ならは天神岬温泉」と命名され、3年後の1993年に現在の温浴施設などが営業を開始、以来町民のみならず地域のみなさんの憩いの場になっていたといいます。

海抜30メートルのこの場所は、東日本大震災では幸い津波被害はなかったものの、原発事故による全町避難で休業を余儀なくされました。震災から4年半後の2015年9月、町の避難指示解除とともに、この「しおかぜ荘」も営業を再開。

ところが、地震の影響で以前は33度だった源泉の温度が22度に下がってしまったのだとか。そんなこともあり、元の源泉の近くを新たに掘削し、2017年5月19日に現在の源泉「新天神岬の湯」に切り替えが行われたのだそうです。新しい源泉の成分は以前の3倍に! まさにbrand new温泉です。

 

バーベキュー+サイクリング → 温泉 = 正しい夏休み!

さて、このしおかぜ荘は、天神岬スポーツ公園という大きな施設の一角にあります。公園内の木立の中には「かまど」が点在していて、テントを張ってキャンプをしたり、専用サイトではキャンピングカーで一泊することもできます。

 

もちろん日帰りでバーベキューだけでもOK。「食材さえ持ってくれば道具はみんな貸してくれるのですね?」と伺うと、「食材すら持ってこなくても大丈夫ですよ」とのお返事。

なんと、2日前までに予約すれば、肉・野菜・焼きそばにサラダ油や紙皿、割り箸、コップ、お手拭きまでがセットになったものを用意してくれるのだそうです! もちろん鉄板や木炭も込み。ワンセット5人前(牛肉コース10,000円、豚肉コース8 ,000円)だそうなので、家族連れや大人数でワイワイやりたいときは最高ですね。

 

バーベキューの気分でなければ、お昼時なら公園内のレストランで楢葉名物「マミーすいとん」を食すもよし。デザートには公園の一角にある「ウィンディーランド」で手作りジェラートがオススメです。

 

こちらは広い園内にある展望台からの眺望。サイクリングロードが園内を一周しています。自転車のレンタルもあります。

 

ドッグランもあるので、ワンちゃん連れでも安心して楽しめます。

 

まとめ

バーベキューやサイクリングで汗をかき、海を見ながらひとっ風呂。なんとも正しい夏休みの過ごし方ではありませんか! 冬でも比較的温暖な浜通り南部ですから、四季を通じて楽しめそうですね。浜通り方面へお越しの際は、ぜひ足を延ばしてみては。

おまけ

福島県内の貴重なオーシャンビュー温泉は、天神岬の他にもこんなところがあるようです。露天(半露天)風呂があり、日帰り利用ができるところをピックアップしてみました。

小名浜温泉:小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブ

塩屋崎温泉:ホテル塩屋崎

三崎温泉:ホテル花天

蟹洗温泉:太平洋健康センター

いずれも筆者はまだ訪れたことがありませんので、同行者募集中!(笑)他にもあったらぜひ教えてください。

天神岬温泉しおかぜ荘

福島県双葉郡楢葉町大字北田字上ノ原27-29

10時〜21時(毎週木曜日のみ10時~16時まで休業)

0240-25-5726

http://naraha-tenjin.net/shiokazesou/guide-in-facilities

 

一部写真提供:一般財団法人 楢葉町振興公社

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