現地での三立てが絶品! 名産地として名高い「山都」のそばを食しに喜多方へ

まだ続く暑さの中にも、秋の気配が感じられる今日このごろ、みなさんいかがお過ごしでしょうか。このたびワタクシ、本格的なシーズンを前に「アレ」を求めて、はるばる会津地方の喜多方市に行ってまいりました

アレ? 喜多方? ラーメンでしょ? と思ったあなた。ハズレです。

今回の目的地は、喜多方駅から西へ約10キロのところにある山都町(やまとまち)。
ここは名産「山都そば」を目当てに、全国からそば好きが訪れる「そばの里」なのです。ワタクシ特にそば通というわけではありませんが、この「山都そば」はぜひ一度食べてみたかった! そこで、新そばの季節を待てず、思い立ったが吉日と相成りました。

寒暖の差が激しい気候が生んだ、美味しいそばの里「山都」

磐越自動車道・会津坂下インターから山都への道は、遠くに万年雪をいただく飯豊(いいで)連峰を望むのんびりドライブルートです。

山都までの景色

昼食の前に、JR磐越西線の山都駅へ寄ってみました。ちょうど到着した列車のドアからは思ったより多くの人が降りてきて、中には登山客もちらほら。きっと日本百名山の飯豊山を目指すのでしょうね。

山都駅

久しぶりに山歩きもしてみたいな~と思いましたが、標高2105mの飯豊山を中心に2000m級のピークが6峰も続く飯豊連峰は、かなりの本格登山で上級者向け。江戸時代までは修験道の山だったといいますからね。ということで、ワタクシはその美しい姿を見るだけで満足。代わりに、登山口へ向かう途中にある天然温泉「いいでのゆ」に入って帰ろうっと(笑)

さて、その駅からほど近いところにあるのが、その名も「そば伝承館」です。ここでいよいよ「山都そば」をいただきましょう!

そば伝承館

おお、職人さんが一心にそばを打っています。

そば打ち職人さん

その上に掲げられたメニューを見ると、種類がいろいろあって迷うな~~。

メニュー

しかし、朝食を抜いて万全な態勢のワタクシ、ここはやっぱり「山都そば会席」を注文しました。広い板の間の壁に掲げられた「そば口上」を眺めながら、待つことしばし。

そば口上

やってきました、ざるそばに天ぷらなど3品がセットされた、山都そば会席。

そば会席

あ、今そば好きの方の唾を飲む音が聞こえたような……(笑)
つなぎを一切使わない、そば粉100%の手打ち。やや太めの麺は十割というのに白っぽく、透明感があります(その理由は後述)。かなりの弾力、噛み応えがありますね。かといってポソポソではなくシコシコ。
つゆを付けずに一口食べて噛みしめると「そば」という穀物の味わいが広がります。みなさん、これを目指してくるのですね~。

こちらは付け合わせの「にしんの山椒漬け」。会津地方の郷土料理ですね。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、ワタクシは結構好物です。ただし日本酒が飲みたくなって困る……(笑)

鰊の山椒漬け

天ぷらのお皿には、こちらも会津地方の名物「まんじゅうの天ぷら」も!

まんじゅうの天ぷら

比較的サラっとしたそば湯で残ったつゆを飲み干せば、もうお腹いっぱい。
そばに含まれる栄養素のひとつ「ルチン」は、ポリフェノールの一種。活性酸素を取り除いて身体の酸化を防いでくれるありがた~い存在なんです。しかしルチンは茹でると湯に溶け出してしまうという話もあるので、そば湯もしっかりいただきましょう♪
あ~~大満足。ごちそうさまでした。

生産から「挽き・打ち・茹で」までこだわった山都そば

ハッキリ言って、そば屋はどこにでもあるし、そばの乾麺なんてどのスーパーでも売っています。いわば日本人の日常食ともいえるそば。その一方、そばほど製法にこだわり「オリジナルの味」を追求できる食材も少ないかもしれません。

そば

古くから良質なそばを生産し、ハレの日のおもてなしにそばを振る舞ってきた山都の人々が、そのそばで町おこしを始めたのが昭和50年代のこと。以来、栽培法、貯蔵法から挽き方、打ち方、茹で方にまでこだわって研鑽に努め、全国のそば通に知られるブランドになったのが「山都そば」なんです。
以下、その製法の一部を、喜多方市ふるさと振興株式会社のホームページから引用してみましょう。

「山都では、製粉歩留りを70%以内に定めているため、他の地域よりもやや白っぽいソバ粉が挽かれます。粉が白いのは、中心付近の内層部分が多く、甘皮などそば特有の色のついた外層部分が少ないためです。内層部分の粉は、主にさらしな粉とか一番粉と呼ばれています」

なるほど、製粉歩留まりが70%ということは、玄ソバを30%も削っているということです。まるでおコメを磨いて作るお酒の吟醸のようですね! さらに……

「内層部分の白っぽいソバ粉は粘りが少ないので、こねるとき小麦粉や山芋などのつなぎが必要ですが、山都ではつなぎを使わずにソバ粉だけでこねます。つなぎを使わずにこねるのはそば職人でも難しいとされていますが、山都では湯ごねと水ごねを併用したこね方でごく普通に行われています」

なるほどー。実際、山都にお嫁に来ると「そば打ち」の習得は必須だったとか。

そば資料館

その技術や歴史についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ「そば伝承館」の向かいの「そば資料館」に行ってみてください。ワタクシもこの資料館で、まったく知らなかった「そばの世界」を学びました。

奥のビデオルームでは、プロによる「そば打ち」の実演ビデオが見られますが、その技のなんと美しいこと。2回リピートして見入ってしまいました。定年退職してそば打ちにハマる男性が多いのも、なんとなく分かる気がします。なお、この資料館では、予約すれば「そば打ち」体験もできるそうです。

そして物販コーナーには乾麺やそば茶などのほか、もちろんそば粉もあります。ワタクシ、そば打ちはできる気がしませんが、お湯で練るだけの「そばがき」なら作れるかも!と思い、さっそくそばがき粉を購入いたしましたよ♪

そば粉の販売

資料館の先には、大きく「雪室」と書かれた施設が建っていました。そう、雪深いこの地ならではの貯蔵庫なんですね。秋に収穫されたそばの実を、湿度と温度がほぼ一定に保たれたこの雪室で保管することで、1年を通じて変わらない風味のそばが提供できるのだそうです。

雪室

今年の「山都新そばまつり」は?!

とはいえ「新そば」の響きは魅力的ですよね~。

今年2019年の「山都新そばまつり」は 10月19日(土)20日(日)だそうです♪

おっと、その前の 9月14日(土)15日(日)には「かあちゃんたちの雪室そばまつり」もあるとか。3月中旬の「寒晒しそばまつり」と合わせて、山都の三大そばまつりなんですって。

まだまだ奥が深い山都・喜多方・会津は、そば好き天国

「山都そば」を食べられるのは、もちろん「そば伝承館」だけではありません。山都駅付近をはじめ、町内には他にもそば屋さんが点在していますが、実は「山都そば」の発祥の地といえるのが、さらに山間の宮古という地区なんだそうです。
この小さな集落には8軒ほどのそば処があり、伝統の味を伝えているのだとか。

ワタクシ、次回はぜひ宮古のそばを食しに山都へ戻ってくるぞ、と心に誓っています。

もちろん、山都を含む喜多方市全体、そして会津地方全体がそばの一大産地。各地を巡ってそれぞれ特徴のあるそばを食べ比べるのも楽しいですね!

まとめ

喜多方観光にいらしたら、少し足を延ばして「そばの里」山都へ。現地ならではの「挽きたて・打ちたて・茹でたて」の三立てを、ぜひ味わってみてください。

9月は一面にそばの花が咲き、いよいよ10月は新そばの季節です。

そば伝承館・そば資料館

喜多方市山都町字沢田3077-1

0241-38-3000

http://www.sobanosato.jp/

10時~16時(そば伝承館)、9時~16時(そば資料館)

月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

山都のポスター

おまけ

お帰りの前に「いいでのゆ」でひと風呂いかが? 山都駅から飯豊山方面へ車で20分ほど。アツアツの天然温泉が楽しめます。宿泊施設やお食事処もあり、ここでも「山都そば」が食べられますよ。

いいでの湯

喜多方市山都温泉保養センターいいでのゆ

喜多方市山都町一ノ木字越戸乙3876-4

0241-39-2360

http://www.sobanosato.jp/spa/

営業時間や料金は上記公式サイトをご確認ください。