130年前の噴火跡をたどる迫力の登山、福島の名峰「磐梯山」裏の顔に迫る
こんにちは 山と共に生きるchicoです。
今回ご紹介する山は、日本百名山の1つで福島県の中央にそびえ立つ「磐梯山」です。端正な姿から「会津富士」とも呼ばれていますが、それは南から見る表磐梯の顔で北側から見る“裏磐梯”は、また違った顔を見せてくれます。
というのも今から130年程前、水蒸気爆発を起こしたことが影響していて、そうした名残が今も残っているのが魅力のひとつなんです。
磐梯山への登山は全6コース、裏磐梯登山口から出発!
磐梯山の登山コースは全部で6つあり、それぞれに見所があります。
①八方台登山口
予想所要時間:上り2時間15分/下り1時間40分
山頂までの高低差が少なく、比較的初心者にも登りやすいルート
②猪苗代登山口
予想所要時間:上り3時間30分/下り2時間30分
スキー場のゲレンデを登ることからはじまるルート。眼下には猪苗代湖が広がる
③翁島登山口
予想所要時間:上り3時間30分/下り2時間30分
急勾配のガレ場を一気に登っていく、体力に自信のある人向けのルート
④裏磐梯登山口
予想所要時間:上り3時間50分/下り3時間
表磐梯とは違った荒々しい磐梯山を見ながら登れるルート
⑤川上登山口
予想所要時間:上り4時間/下り2時間50分
荘厳な樹林帯を抜け現れるは噴火口。高くそびえる秀峰を一気に登るルート
⑥渋谷登山口
予想所要時間:上り3時間40分/下り2時間50分
うっそうとした樹林帯を行く、森林浴に最適なルート
今回は、④裏磐梯登山口からのルートをご紹介します。標高差900m、距離にして片道6kmありますので、歩き慣れた方向けのコースになります。
裏磐梯スキー場の駐車場に車を止め、夏は営業していないゲレンデのリフト脇を登っていきます。
少し行くと火山原(噴火口)方面と銅沼方面との分岐にさしかかります。往路は火山原をぬけて山頂をめざし、復路は銅沼経由で戻る予定なので、ここを左に曲がります。
緑の生い茂る森の中、比較的なだらかな山道を歩きます。
視界が開け、木々の間から荒々しい岩壁が見えてきました。表の顔とは異なり、迫力のある風景です。
噴火の後は岩と石と土だけで、草木一本生えていない荒涼たる世界だったそうですが130年の時を経て、今ではこんなにも豊かな緑を茂らせています。福島の土地の回復力たるや、圧倒的なパワーを感じますね。
この辺りは噴火による岩なだれが残していった跡で、「流れ山」と呼ばれています。岩石や土砂が溜まってできたいくつもの丘があり、登り下りを繰り返します。
そして出たところが火口原です。
明治21年に噴火した跡。ちょうどこの辺りに「小磐梯」という磐梯山より少し低い山がありました。
その山が水蒸気爆発により山体崩壊し、山1つすべて吹っ飛んだのです。この平らな地に山があっただなんて考えられませんが、今なお噴煙を上げ活動を続けている姿がここにあります。
大地には岩がゴロゴロと転がり、周囲を大絶壁の火口壁で囲まれたその様相とはうらはらに、鮮やかな緑色の木々が広がります。
時が止まったかのように静かなこの大地に、自然の息吹を感じずにはいられませんでした。